PODコミック出力で、モアレが発生してお困りの皆様へ

== 現状 ==

通常、コミック印刷版のデータは1200dpiまたは2400dpiの2値としてTiffフォーマットで作成されます。
最近ではPDFも増えてきましたが、コミックの画像部分は印刷版と同じでモノクロ2値となっています。

①印刷版データ → モノクロ2値 1200dpiまたは2400dpi
文字も柱等も画像の一部として表現されています。

②PDF → コミック画像 1200dpiまたは2400dpi
文字 PDFデータとしてアウトラインまたはエンベデッドフォント
柱等 コミック画像とは別画像で付加または図形データなど

現在ではPODの入力は殆どPDFです。これはPODのRIP部が大抵アドビのPS-RIPを元に開発されているからです。したがって①の印刷版データもPDFに変換して多ページ仕立てしなければなりませんが、この場合でも1ページの内容は画像1枚です。

また②のPDFの場合は、内容的にPDFで許されるものならば全てが対象となります。いずれにしても、PODの場合は1つのPDFで1冊の本が出来上がるような構成が一番効率的ですので、多ページPDFはとても運用上都合が良い訳です。

一方PS-RIPは当然PDFを1枚の画像に展開して出力エンジンに渡す機能を有しているので、出力エンジンの都合またはユーザーの都合に合わせて、入力データをサイジングする機能を持っています。したがって、図形データや文字データは全く劣化させずに拡大/縮小できます。また、多値画像(モノクロでもカラーでも)についても品質良く拡大/縮小することができます。

しかしPS-RIPには、2値画像でしかもコミックのように網点が含まれるデータをモアレなく拡大/縮小する機能がありません。すると、①の場合も②の場合も同様に2値画像については単純な拡大/縮小しかできず、間違いなくモアレが発生してしまいます。

それでは、2値画像ではなく多値の画像を使えばいいのでは?
という意見もあり、実際にアメコミなどでは2値ではなく多値(コントーンデータ)で原稿を作っているようです。しかしです、日本のコミックは伝統的にスクリーントーンを使った、陰影を多用する芸術的とも言える非常に優れた表現力を持つ特別な画像です。これを単純に多値化して綺麗な濃淡をつけても、現在の日本のコミックにある風合いやら雰囲気は絶対に作ることができません。
また、これから作られるコミックはいいとしても、これまでに作られた膨大でしかも人気のある作品はどうしたらよいのでしょうか?

現在、コミックの原稿は5割ぐらいが手書きで、残りの5割がデジタルデータとして作成されています。デジタルデータとして作成する場合でも、日本のコミック独特の雰囲気を出すためスクリーントーン(デジタルですからチントでしょうか?)を使うのが普通であり、濃淡を多値で表現しているコミックはまずありません。
表紙や扉用のカラー画像は多値ですので、コミック本にする際にはスクリーニングされ、モノクロとなりますが、網線数がスクリーントーンよりも高いため非常に滑らかな仕上がりとなり、コミックが本来持つ風合いは無くなってしまいます。
コミック本で章の扉がすごく綺麗な場合は、殆どの場合もとは週刊誌の表紙に使われたカラーデータです。

このような事情で、今のところコミックのPOD化は殆ど進んでいないのが現状です。それでは、具体的にモアレが発生する例をご説明しましょう。

== モアレが発生する例1 ==

moire1

この例は、週刊誌サイズのデータをコミック本サイズにしてPOD出力しようとするときの例です。
入力データ: コミックPDFデータ(週刊誌用) 1200dpi
出力エンジン解像度: 1200dpi
PS-RIPでの縮小率:  60%前後

コミックPDFデータ(週刊誌用)には最低限2値画像が含まれていますので、PS-RIPはこの2値画像を縮小して出力エンジンに渡すデータを生成します。このとき画像縮小が起こりますがPS-RIPが2値画像を縮小すると網点に必ずモアレが発生します。2値画像でも線画であれば問題ないのですが、コミック画像は網点(スクリーントーン)を多用しさらに、この網点は65線/インチぐらいの低い網線数であるため、60%前後の縮小で必ずモアレが発生します。

== モアレが発生する例2 ==

moire2

この例は、コミック本用に縮小されて完成しているデータを32本/mm(812.8dpi)の出力エンジンに出す
場合の例です。
入力データ: コミックPDFデータ(コミック本用) 1200dpi
出力エンジンの解像度: 32本/mm (812.8dpi)
PS-RIPでの縮小率: 812.8dpi / 1200dpi * 100 = 67.73%

PS-RIPは出力エンジンの解像度と異なる解像度のデータが入ってくると、これを拡大/縮小し出力エンジンの解像度に合わせようとします。PDFに解像度という概念はありませんが、内包する画像には解像度が存在します。
この例では、入力1200dpiのデータを出力エンジンの解像度32本/mm(812.8dpi)に合わせるため 67.73%の縮小が発生します。このため網点画像にモアレが発生します。

 

この状況を打破するためデジタル・シナプスが提案する解決策が

PODデジタル印刷用コミックPDF変換ソリューション です。

moire free

コミックPDF変換システムは、ComicSuiteで培ってきた画像の拡大/縮小技術を使い、モアレの問題を解決します。

重要な点は、PS-RIPに2値コミック画像の縮小・解像度変換を行わせないことにあります。これを実現するため本システムでは、入力PDFデータを出力エンジンが必要とするサイズ・解像度に事前に変換します。
この変換にはComicSuiteで培ってきた画像拡大/縮小技術を使い、モアレフリーで行うためモアレの発生はありません。このようにフロント側で事前にサイズ・解像度の変更を行うことにより、PS-RIPの変換処理を抑止し、POD全体としてモアレの発生を回避します。

PODデジタル印刷用コミックPDF変換ソリューション

ComicPdfConverter
デジタル・シナプスでは、本ソリューションについてコンサルティングを展開しています。

是非一度詳しい説明をご用命ください。